お客様の待ち時間を最小限に抑えて、おいしい一杯を提供するには
どうすれば良いでしょうか?
特にピークタイムは、その効率が売り上げを左右します。
まずは、ドリンクづくりに必要な道具を使いこなしましょう。
より早く正確につくることでお客様の満足度が上がり、ロスも少なくて済みます。
- 山田 高史氏
- 2011年ポーランドで開催された「I.B.A. ワールド・カクテル・チャンピオンシップ」(国際バーテンダー協会[International Bartenders Association 略称 I.B.A.]主催)総合優勝、ほか受賞歴多数。『Bar Noble』(横浜市)オーナーバーテンダー。日本バーテンダー協会 関東統括本部 国際部長。
「ジントニック」と「スクリュードライバー」
の混ぜ方の違い
- カクテルで最も注文されるのが、ビルドスタイルのロングドリンクです。ファーストドリンクとして、一度に数杯分を頼まれることもあるでしょう。
グラスに注いで混ぜるというシンプルな動作の中にも、おいしくなるポイントや迅速につくることができる術がたくさん隠れています。
今回は、炭酸飲料(トニックウォーター)を使った「ジントニック」とジュースを使った「スクリュードライバー」で混ぜ方の違いを見ていきましょう。
[左]ジントニック Gin and tonic
ウヰルキンソン・ジン37°・・・40ml
ライムジュース・・・3〜5ml
ウィルキンソン トニック・・・適量(約100〜110ml)
①氷を入れたタンブラーに、ウヰルキンソン・ジン37°とライムジュースを注いでステアする。
②ウィルキンソン トニックを注ぐ。
③軽くステアする。
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- ジンとライムがなじむように、15〜20回ほど混ぜながら冷やします。
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- 氷にあてないように、グラスの縁に近い、低い位置から炭酸が抜けないよう静かに注ぎます。
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- 炭酸が抜けないようバースプーンで下から氷を一度持ち上げ、2〜3回ほど混ぜます。
[右] スクリュードライバー Screw driver
ウヰルキンソン・ウオッカ40°・・・45ml
オレンジジュース・・・適量(約100〜110ml)
①氷を入れたタンブラーに、ウヰルキンソン・ウオッカ40°を注ぐ。
②オレンジジュースを注ぐ。
③ステアする。
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- ジュースは、よく振ってから開けましょう。氷にあてないよう注げば、対流が起きて混ざりやすくなり、氷溶けによる希釈も抑えます。
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- やや早めに、20回ほどステアします。ステアしながら上下に3往復くらいすると対流を促し、より混ざりやすくなります。
カクテルづくりの基本動作
ボトルの開け方
右利きの場合、右手でボトルの胴体をつかみます。
左手をキャップに巻き付けるようにかけて、開ける準備をします。
ボトルの中心を右手の親指でしっかり支えれば、負荷がかかりません。
両手を自身の手前から外側へ向かって回転させながら、滑らかに開けます。
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キャップは左手の親指と人差し指の間に挟んだまま、右手で注ぎます。
メジャーカップの使い方
くびれた部分を左手の人差し指と中指で挟んで、親指で固定します。
正確に計量するため、しっかりと水平になるよう持ちます。
グラスの縁になるべく近い場所で、きちんと確認しながら計量しましょう。
メジャーカップを手前から向こう側へ傾けて、グラスに注ぎます。
脇を締めながら手首を返し、最後の一滴まで注ぎましょう。
ステアの仕方[バースプーン]※マドラーでステアする場合は2〜4をご参照ください。
バースプーンの先端から、2/3くらいの位置を目安に持ちます。
中指と薬指で挟むようにして持ち、ほかの指は程よい力加減で添えるように。
手首で回すのではなく、中指と薬指を前後に動かしながら混ぜます。
親指と人差し指を頂点に、円錐を描くイメージで回しましょう。
バースプーンの背が、常にグラスの内側を沿うように回します。
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- ドリンクづくりでは、動線を考えた配置が大切です。お酒や材料、器具は使用したら必ず元の位置に戻す習慣をつけましょう。
また、常に清潔な環境を維持することも重要です。
- ドリンクづくりでは、動線を考えた配置が大切です。お酒や材料、器具は使用したら必ず元の位置に戻す習慣をつけましょう。
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- 果物は、台所用の中性洗剤などを使って皮のベタつきが取れるまでしっかりと洗いましょう。農薬やワックスなどのコーティングが取れ、ドリンクがよりおいしくなります。
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- 5mlなどの少量をメジャーカップで計るのが難しい場合は、計量スプーンを使うのも手です。